2019年03月22日

「兄弟・姉妹」と「受験」~エピソード1(後編)~

(前回のつづきです)

プラナスの(というより僕の)進路指導におけるスタンスは、

どちらかと言えば「強気」で、

学校で「あきらめろ」と言われた子たちでも、

本人の気持ち次第でギリギリまで志望校を下げないのが常です。


ただ、今回、何を考えていたかと言えば、

「お母さんに、また辛い思いをさせてしまうかも」という心配と、

「同じご家庭から二人も不合格者を出したら、

塾の進路指導に問題があると思われるかもしれない。」という自分の心配でした。


僕はお姉さんのことも頭に浮かべながら

「お母さんはどう思いますか?」と質問しました。

お母さんの意見は、

「『本人』が最後までがんばりたいと言っているので、

このまま第一志望を受けさせたい」というものでした。

僕はハっとしました。

僕が頭の中で考慮していたことは「お姉さんの」受験体験であり、

それを見てきた「お母さん」や「僕」の受験体験のことでした。


さらに言えば「塾への信頼や評価」を気にしていたんです。


考えてみれば、それは今回受験するAくんとはあまり関係のないことでした。

Aくんにとっては「今回が初めて」の受験であり、挑戦です。

志望校を選ぶ権利はもちろん

変な言い方ですが、

不合格を受け入れる権利さえも

まずはAくんにある

Aくん自身の問題で変更するならともかく、

姉妹・兄弟の受験体験や大人の気持ち、塾の評価...

それらは優先して考慮することではありませんでした。


それに気づかせてくれたお母さんの勇気ある決断に心から感謝しています。

これはできそうで、なかなかできない決断だったと思います。


同時に、

僕は2番目の妹さんの進路選択についても振り返りました。

そんなお母さんのご家庭ですから妹さんの時も

しっかりとした話し合いと決断をしてくれたとは思っています。

ただ、

僕はあの時、内心ほっとして彼女の推薦希望を受け入れたのは事実です。

もう一言、せめてもう一度、聞いてあげるべきでした。

「大きなお世話かもしれないけど、本当にそこでいいんだね。

がんばれば〇〇高校までは手が届くよ。」と...

何年もこの仕事をやってきているのに、

まだまだ未熟な自分を思い知らされました。

最後に、

そんなAくんが先日の卒塾式で書いてくれたアンケートを一部紹介します。

Q.タイムマシンがあったら一年前の自分に何を伝えたいですか?

A.あきらめない方がいいぞ。もっと自信を持ってがんばれ!

Q.かわいい後輩たちに一言アドバイスを!

A.「自分の行きたい」高校に進んでください。

エピソード1はおしまいです<(_ _)>

「兄弟・姉妹」と「受験」~エピソード1(後編)~




同じカテゴリー(塾でのあれこれ)の記事画像
署名活動、近況報告!
「内申点」の制度って…
長野県高校入試制度について
授業風景の紹介「中3国語」
夏塾2022「予約状況」
2022「夏塾」募集開始のお知らせ(^^)/
同じカテゴリー(塾でのあれこれ)の記事
 署名活動、近況報告! (2022-12-16 17:32)
 「内申点」の制度って… (2022-11-29 21:51)
 長野県高校入試制度について(2) (2022-11-15 21:50)
 長野県高校入試制度について (2022-11-11 18:06)
 授業風景の紹介「中3国語」 (2022-11-09 16:40)
 中学受験について (2022-10-14 15:56)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。