2021年06月28日

小6「分数のわり算」の文章題は分数で解けないのが普通?(後編)

さて、前回のブログの後編です。

よろしければ、前回のブログをご覧になってからお進みください。

きっかけとなったのは↓の問題でした。

小6「分数のわり算」の文章題は分数で解けないのが普通?(後編)




小中学校のカリキュラムは「計算」から入って、

その計算を利用した「文章題」に移るという進行が一般的です。

でも、よく考えてみると、おかしくないですか?

解決したい問題があって、

そのために必要な道具を用意する方が自然だと思いませんか?

例えば、

野球をやりたいのかサッカーをやりたいのか決まってもいない小さな子どもに、

「いずれ、役に立つはずだから」と筋トレだけやらせようと思いますか?


前回、取り上げた文章題、問題文の中には分数は出てきません。


塾に通っている清陵生の解答はこうでした・・・

60:80=X:240

3:4=X:240

4X=720

X=180

よって180㎥

※「本当は最初の式で80の3倍が240だから、

そのまま60も3倍して180で良くない?」とアドバイスしておきました。


ある中学3年生はこうでした。

240÷80=3

3×60=180

塾に通う小6生の、今回の考え方と同じですね。

時間の単位換算ができて、整数のわり算とかけ算が使えれば、

シンプルに解けるはずの問題を、

なぜ、

「その単元だから」という理由で無理やり「分数のわり算」で解かなければいけないのか?

しかも、

仮に、「分数のわり算」の方が、この文章題を解くのに有利で分かりやすい解法だとしたら、

中学生や高校生も「分数のわり算」で解く子が多くなるはずではないでしょうか?


もう一人の甲陵に通う高校生が、こんなことを言ってくれました。

「文章題から考えてないですね」

さすが、プラナスに長年通っている生徒!(自画自賛)

そうなんです、計算のやり方だけ練習させて(しかも、あまり訳もわからずに)、

その後、体裁を整えるために、「さぁ、分数のわり算を使って文章題を解きましょう」となるので、

なぜ、その文章題を解くために「分数のわり算」が適切なのか、

本当に、それが最善の解き方なのかと考えることなく、

その場は、何となく数字を見つけて、

分数のわり算で解くという「一種の公式」に当てはめているだけになっているのです。

結果として、いずれ、複数の単元をミックスして文章題を出題されると、

「どの道具を使えばいいのかわからない。計算は得意だけど、文章題はキライ。」という子どもが

どんどん増えてしまうのです。

高校生が代弁してくれたように、

算数・数学にとっての基礎力とは「計算」ではなくて

「文章題」の理解や概念の理解だということに気づいているかどうかが、

算数・数学を好き(得意)になるかどうかの大きな分かれ道なのです。




署名活動、近況報告!
「内申点」の制度って…
宿題で算数が苦手になる?
「look up to~」される大人でありたい(^^)
小6「分数のわり算」の文章題は分数で解けないのが普通?(前編)
コラムの連載が終了しました~!
 署名活動、近況報告! (2022-12-16 17:32)
 「内申点」の制度って… (2022-11-29 21:51)
 宿題で算数が苦手になる? (2021-09-17 17:46)
 「look up to~」される大人でありたい(^^) (2021-07-14 09:58)
 小6「分数のわり算」の文章題は分数で解けないのが普通?(前編) (2021-06-25 20:05)
 茂木健一郎さんの動画を見て (2021-06-17 18:50)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。